
異種間恋愛
第12章 獣の正体と契り
ティオン……レオの名前を初めてきいた。複雑な思いが胸を蝕む。
レオ、いやティオン様はグラドの兄だったということは賢帝ブルーノから王位を継ぐべきお方だったのだ。悪魔の力を借りて王になったグラドはいわば偽者の王。ティオン様が王位に就いていれば民はきっと幸せに暮らせていたはず。
「ティオン様、今までのご無礼をお許しください」
私は身体を離し、少し距離を置いて跪いた。
「……リア、やめてくれ。こんなことになるのが恐かったんだ」
「しかし、ティオン様は正統な王位継承者だったお方で」
レオが今までにない大きな音で吠えた。恐ろしさで膝が震えた。
「俺はレオだ。お前がつけた名前だろう……俺はあの時からレオになった」
ライオンが跪く私のほうへ歩いてくる。私は動けない……動かない。
そして、ライオンは私の身体を仰向けに押し倒し、上に被さるように四足で立つ。
「レオと……いままで通り、レオと呼んでくれ」
青い瞳から大きな滴が流れ落ち、私の頬を濡らす。涙でさえも美しく神聖で清らかに感じられた。
下から見るレオの顔は悲しみで満ちていた。
そうだ。今までのレオとの思い出はなんだったというのだろう。今目の前で泣いているライオンは紛れもなくレオだ。
「レオ……」
「泣くな」
私も泣いているらしい。なぜ?
感情の制御ができない。一日で色々なことが明るみにですぎて混乱している。
それはレオも一緒なのかもしれない。
レオがゆっくりと私の顔にレオの顔を近付ける。
「……んっ」
初めてのキスは、ライオンとだった。
レオの大きな口と私の小さな唇が重なった。それだけで、身分も過去も姿形でさえもどうでもよくなった。
ただ、レオが……好きだ。
レオ、いやティオン様はグラドの兄だったということは賢帝ブルーノから王位を継ぐべきお方だったのだ。悪魔の力を借りて王になったグラドはいわば偽者の王。ティオン様が王位に就いていれば民はきっと幸せに暮らせていたはず。
「ティオン様、今までのご無礼をお許しください」
私は身体を離し、少し距離を置いて跪いた。
「……リア、やめてくれ。こんなことになるのが恐かったんだ」
「しかし、ティオン様は正統な王位継承者だったお方で」
レオが今までにない大きな音で吠えた。恐ろしさで膝が震えた。
「俺はレオだ。お前がつけた名前だろう……俺はあの時からレオになった」
ライオンが跪く私のほうへ歩いてくる。私は動けない……動かない。
そして、ライオンは私の身体を仰向けに押し倒し、上に被さるように四足で立つ。
「レオと……いままで通り、レオと呼んでくれ」
青い瞳から大きな滴が流れ落ち、私の頬を濡らす。涙でさえも美しく神聖で清らかに感じられた。
下から見るレオの顔は悲しみで満ちていた。
そうだ。今までのレオとの思い出はなんだったというのだろう。今目の前で泣いているライオンは紛れもなくレオだ。
「レオ……」
「泣くな」
私も泣いているらしい。なぜ?
感情の制御ができない。一日で色々なことが明るみにですぎて混乱している。
それはレオも一緒なのかもしれない。
レオがゆっくりと私の顔にレオの顔を近付ける。
「……んっ」
初めてのキスは、ライオンとだった。
レオの大きな口と私の小さな唇が重なった。それだけで、身分も過去も姿形でさえもどうでもよくなった。
ただ、レオが……好きだ。
