
合縁奇縁〜ついてまわる運命〜
第2章 居場所
「ああ、お疲れ。里中、ボールさばきなかなかのものね。」
「あ、ありがとうございます。でも、桃先輩にはまだまだかないません。」
褒められて嬉しかったが、率直な気持ちをぶつける。今のままでは、きっとこの人と並ぶことはできない。身体能力、集中力、経験量でも、私は桃先輩の足下にも及ばないだろう。しかし、それは私の心に火をつけた。いつか、桃先輩を抜きたい!彼女の走る背中を見ながら心の中でそう思ったのだ。
「お世辞はいらないよ。里中はこれからもっと上手くなるでしょうね。そして、私を抜きにくる。でも、私も負けないから。ライバルがいないとサッカーも楽しくないし・・・。」
彼女の口元は小さく笑った。練習の最中は一度も笑わなかった桃先輩だったが、その笑いは私を余計に熱くした。ライバル・・・。それは響きのいい言葉である。後ろからやってきた神田先輩が帰って行く桃先輩を見ながら驚くように言った。
「滅多に笑わない桃が笑ったよ。遥ちゃんを見て何か感じたんだろうね。」
肩ポンしながらにっこりと笑う神田先輩は優しい目で私の顔を覗き込む。
「あ、ありがとうございます。でも、桃先輩にはまだまだかないません。」
褒められて嬉しかったが、率直な気持ちをぶつける。今のままでは、きっとこの人と並ぶことはできない。身体能力、集中力、経験量でも、私は桃先輩の足下にも及ばないだろう。しかし、それは私の心に火をつけた。いつか、桃先輩を抜きたい!彼女の走る背中を見ながら心の中でそう思ったのだ。
「お世辞はいらないよ。里中はこれからもっと上手くなるでしょうね。そして、私を抜きにくる。でも、私も負けないから。ライバルがいないとサッカーも楽しくないし・・・。」
彼女の口元は小さく笑った。練習の最中は一度も笑わなかった桃先輩だったが、その笑いは私を余計に熱くした。ライバル・・・。それは響きのいい言葉である。後ろからやってきた神田先輩が帰って行く桃先輩を見ながら驚くように言った。
「滅多に笑わない桃が笑ったよ。遥ちゃんを見て何か感じたんだろうね。」
肩ポンしながらにっこりと笑う神田先輩は優しい目で私の顔を覗き込む。
