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合縁奇縁〜ついてまわる運命〜

第2章 居場所

「どうしてかって?お兄ちゃん達があの人の言うこと聞かないから、うちが聞くしかないんでしょ!ミナ兄がいつまでもあいつへの恨みを晴らそうとしてるから、うちがいつも間に入らないといけないんじゃん!」
「交換条件は金か?ハル、お前、金の為にこんなとこ、きたのかよ。」
こんなとこって言わないで・・・。ここは私が一番いたいところなの。あなた達がくれなかったぬくもりがここにはあるの。
「うちら兄弟がどうして今日まで生きて来れたと思ってるの?学費、家賃、生活費、食費だってまともに払えないんだよ!うちがあの人の言うことを聞かないで、誰がお金稼ぐのよ!うちにはまだ双子がいるんだよ?分かってるの?もう、好き勝手言えないの!もう、自分の好きな様に生きて、家族が壊れていくのを見て見ぬふりなんてできないの!」
凄い剣幕でまくしたてる私に驚きながらも落ち着かせようとするマコ兄。
「落ち着けって。ハルは頑張ってるよ。この家族をつなぎ止めようとよくがんばってるよ。でも、あいつは・・・、父さんはハルがどんな選択をしてもお前を見捨てたりはしないよ。」

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