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合縁奇縁〜ついてまわる運命〜

第2章 居場所

「いい加減にして!うちらは捨てられたの!あいつに捨てられたの!いつまで過去引きずってんの?11年前のお父さんとは違う!昔みたいに優しいとか思ってないで、捨てられたことを受け入れてよ!」
困った様に笑うマコ兄は前髪で顔を隠す様に掻き乱すと、自室に入り、静かに扉を閉めた。
一人でたたずむ遥を見つめていた影が一つあった。そして、その影と目が合った瞬間、その影はゆっくりと階段を上って、遥に近づく。
「愛瑠・・・、いたんだ。」
「着替えて、夕食食べよ。」
それだけ言って、私の横を通り過ぎ、扉を開ける。私も黙って、愛瑠のあとに続いた。

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