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合縁奇縁〜ついてまわる運命〜

第2章 居場所

「・・・なかさん・・・、里中さん。」
その言葉で現実に引き戻される。
「あっ、私のこと?遥でいいよ。」
「遥?」
また照れくさそうに笑う彼に答える。
「そう、遥。」
「遥、お腹空かない?何か食べよっ。」
私の手を引いてマコ兄から遠ざかる。食べ物がたくさん並べてある机につくと、彼はお皿に食べ物を取り分けていく。黙っていてくれる彼の横顔は少し笑って見えた。
「稲葉くん・・・。」
「新。僕が遥なら、君は新でしょ。」
ちらっと横目で見られるのは、少し照れくさい。その口元に見える笑顔は、優しかった。
「新、黙ってなくていいんだよ。話そうよ、せっかくこんな機会なんだしさ。」
そっか、大丈夫なんだ。そういう声が聞こえた気がした。

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