合縁奇縁〜ついてまわる運命〜
第2章 居場所
「今日、女サカの部活紹介行ったでしょ?実は僕、その隣のピッチでサッカーやってたんだよ。」
その時の光景を思い出してみる。確かに隣では男子が騒がしくしていた。そこには20人近くの男子がいた。その中でも、何人か目を引くようなプレーをしていたのを覚えている。その一人は新のお兄さんの蓚先輩である。華麗なフットワークでこぎ着けるゴールは目を見張るものがある。その兄とはプレースタイルが全然違ったが、新も面白いプレーをしていた。その思い出したプレーの中に私の好きな動きがあった。
「マルセイユして、ゴール決めたでしょ。ほらあの、体の大きな人からのセンターサークルへのパスの後のやつ。」
少し遅れて新がそのボールに追いつく。しかし、タイミングが少しずれ、目の前には既にディフェンスがいた。そのディフェンスにマルセイをして、エリア内に入ってから右へのフェイント。ディフェンスの脚がボールに届かないギリギリの距離を保ちながら体を前に入れてヒールキックで後ろから来ていた小柄の人にパス。そのパスはやや弱かったが、脚の速いその人はボールに追いつきシュートをするが、キーパーの真正面に飛んでしまった。しかし、勢いのよいボールを止めるすべもなく、こぼれたボールを、ディフェンスの間を突き破る一つの長い脚がつま先で押し込む。その点を決めたのが新なのである。
その時の光景を思い出してみる。確かに隣では男子が騒がしくしていた。そこには20人近くの男子がいた。その中でも、何人か目を引くようなプレーをしていたのを覚えている。その一人は新のお兄さんの蓚先輩である。華麗なフットワークでこぎ着けるゴールは目を見張るものがある。その兄とはプレースタイルが全然違ったが、新も面白いプレーをしていた。その思い出したプレーの中に私の好きな動きがあった。
「マルセイユして、ゴール決めたでしょ。ほらあの、体の大きな人からのセンターサークルへのパスの後のやつ。」
少し遅れて新がそのボールに追いつく。しかし、タイミングが少しずれ、目の前には既にディフェンスがいた。そのディフェンスにマルセイをして、エリア内に入ってから右へのフェイント。ディフェンスの脚がボールに届かないギリギリの距離を保ちながら体を前に入れてヒールキックで後ろから来ていた小柄の人にパス。そのパスはやや弱かったが、脚の速いその人はボールに追いつきシュートをするが、キーパーの真正面に飛んでしまった。しかし、勢いのよいボールを止めるすべもなく、こぼれたボールを、ディフェンスの間を突き破る一つの長い脚がつま先で押し込む。その点を決めたのが新なのである。