えっちな妄想は生きる糧。
第3章 先輩×後輩@部室で
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「なぁ琳果、俺、スポーツ推薦で大学行くんだ」
すっかり冷え込んでしまい、手を取り合いながら人通りの少ない夜道を帰っている途中、和真くんはそう話し始めた。
「え、スゴいね!!さすが和真くん」
「だからもう大学決まってるし…あの…」
和真くんは立ち止まり、なぜか照れているようで俯きながら口ごもった。
繋いでいないほうの手で、口元を隠している。
うちの大好きな、和真くんの照れ方。
「俺、待ってるからさ、その…」
「え、なぁに?」
口元を隠していた手を差し出される。
「俺と、同じ大学来ないか…?」
その手は握られ、小指が立てられている。
少し震えた声と手が、とても愛しい。
「…うんっ!!約束」
その小指に、迷わず自らの小指を絡めて未来を誓い合う。
なんだか、不安だったはずの未来が突然楽しみに変わった瞬間だった。
和真くんの未来には、うちの姿もあったんだ。
「うち、ソフトは下手だから推薦は無理だけど…勉強して、和真くんと同じ大学行く!!」
人通りこそ少ないけれど、明るい舗道で和真くんに抱き付く。
浅はかな動機かもしれないけど、希望が見えた気がした。
「和真くん、うちからもお願いあるの…」