えっちな妄想は生きる糧。
第4章 会長×書記@生徒会室で
「…さき、自分が何言ってるのかわかってるの?」
呆れたとでも言いたげに、溜め息混じりで囁くように彼が言う。
帰らずに戻ってきてくれた彼は乱暴に長机の上へバッグを置き、ミシッと大きな音を立ててパイプ椅子に腰かけた。
また、背中を向けられた…。
「わかってます…!!わかってるんです、けど…もう、諦めたいんです…苦しいんです…っ!!」
「そうしたら、さきは本当に諦められるの?苦しくなくなるの?僕は違うと思うよ」
彼の声はどこまでも真っ直ぐで、心の奥に直接刺さってくる。
いつもそう。
厳しいのに優しくて、他人のことをいつも思いやっていて…もう、私には何も言えない…。
「…さき、初めてだろ?やめときなよ、僕は」
「ズルいです…会長はズルいです…!!どうしてですか…優しくしないでください…っ!!」
急に脚の力が抜けてしまい、立っていられなくなる。
ひんやりとした床が、脚を伝い体を冷やしていく。
次から次へと溢れる涙が、冷たい床に弾かれていく。
もう…どうしたらいいの?
「泣くなよ」
振り向かずに差し出された手には、綺麗に畳まれた青いチェック柄のハンカチが握られていた。
優しさが、痛い。
「だから、抱いてあげる」