私には夢があるの。
第15章 繦くん…?
春「なっ…なんでぇ⁉
だって…繦くん…
死んじゃうよぉ~‼
このままじゃ繦くん、
死んじゃうのぉ~‼」
力のある限り腕を引く。
母「やっ、ダメ‼」
私はお母さんの行動で
今の状況がやっと飲み込める。
春「いやっ…離してッ‼
だって繦くんがぁ…
繦くんがあぁぁー‼‼」
こうしている間にも
部屋には機会音が鳴り響く。
パシン───
母「ぃっ…
いい加減にしなさい‼‼」
……ほっぺが痛いよ…
私は立っていられなくなり、
その場に座り込む。
春「だっ…て…
繦…くん…
むっむづぎぐんがぁぁー…」
ピ・ピ────・・・
部屋に鳴り響くのは、
元気な繦くんの笑い声
なんかじゃなかった。
力を抜いた先生が言う。
「…ご家族は?」
「…来られてません。」
その言葉を聞いて、
先生は自分のしている
腕時計を見た。
「3時21分です。」
それでも空は
青かった。