喪失、そして再生~どこか遠くへ~My Godness完結編
第2章 ♣海の女神♣
また、諦めるより他なかった。自分は不幸なのだから、幸福にはなれっこないのだと思い込んでしまわなければ、誰かを恨んでしまいそうで、怖かった。
もう、誰かを恨むのも憎むのもたくさんだ。復讐という名の下に近づいた女に心奪われ、悠理はかえって残酷な罰を受けることになった。愛してもけして報われぬ女を愛し、今度こそ我が子が無事に生まれたというのに、その我が子を永遠に手放すことになった―。
もっとも、幾ら最愛の妻を失った絶望に囚われすぎていたからとはいえ、彼は実里に対して許されざる罪を犯してしまった。自分が彼女に対して行った酷い仕打ちからすれば、今、彼女への実らぬ想いに苛まれるのも、ただ一人の我が子に逢えぬのも当然の報いかもしれない。
だから、けして、あの女に近づいてはならない。悠理は唇を噛みしめながら、緩慢な足取りで元来た道を戻り始めた。
もう、誰かを恨むのも憎むのもたくさんだ。復讐という名の下に近づいた女に心奪われ、悠理はかえって残酷な罰を受けることになった。愛してもけして報われぬ女を愛し、今度こそ我が子が無事に生まれたというのに、その我が子を永遠に手放すことになった―。
もっとも、幾ら最愛の妻を失った絶望に囚われすぎていたからとはいえ、彼は実里に対して許されざる罪を犯してしまった。自分が彼女に対して行った酷い仕打ちからすれば、今、彼女への実らぬ想いに苛まれるのも、ただ一人の我が子に逢えぬのも当然の報いかもしれない。
だから、けして、あの女に近づいてはならない。悠理は唇を噛みしめながら、緩慢な足取りで元来た道を戻り始めた。