喪失、そして再生~どこか遠くへ~My Godness完結編
第3章 ♣海ほたる舞う夜♣
眞矢歌は微笑を残したまま、首を振る。
「定期検診なの。半年に一度は経過を診るために、検査を受けなさいって言われてるから。今日も保育園の方を抜けさせて貰って、検査に来てたってわけ」
「そうなんだ」
悠理は頷き、眞矢歌の返事に自分が大きな安堵を感じていることに改めて気づいた。
何故、俺は彼女のことがこんなにも気になるんだ?
やはり、惚れたからだろうか。
悠理が考え込んだ一瞬、眞矢歌の声が彼の耳を打った。
「私って、つくづく臆病な人間だって、自分でも情けなくなるときがあるわ」
悠理はハッとして顔を上げ、眞矢歌を見つめた。
「何で?」
思わずムキになって強い口調で言ったことを後悔したが、眞矢歌もまた自分の想いに囚われているようだ。
「いつも再発の恐怖に怯えてばかりいるのよ。つくづく自分が嫌になっちゃう」
「そんなことはないよ」
また強い口調になってしまった。
今度は眞矢歌も少し愕いたように悠理を見つめ返している。
「ごめん、つい大きな声出したりして」
悠理はいつになく頬を熱くし、眞矢歌から慌てて眼を逸らした。
「子宮は幸か不幸か全部取ってしまったから、そっちは良いの。でも、私の場合、卵巣がね。もしかしたら、また手術しなければならなくなるかもって言われてて」
悠理は弾かれたように顔を上げた。
もしかして彼女は悪い病気にかかっているのか? 絶望にも似た暗い予感が胸をひたひたと満たす。
眞矢歌は悠理の気持ちを的確に読み取ったようであった。薄く微笑んだ。
「悪性じゃないの。でも、悪いものではないけれど、このまま大きくなるようでは放置しておくのは難しいって」
眞矢歌は小首を傾げた。
「定期検診なの。半年に一度は経過を診るために、検査を受けなさいって言われてるから。今日も保育園の方を抜けさせて貰って、検査に来てたってわけ」
「そうなんだ」
悠理は頷き、眞矢歌の返事に自分が大きな安堵を感じていることに改めて気づいた。
何故、俺は彼女のことがこんなにも気になるんだ?
やはり、惚れたからだろうか。
悠理が考え込んだ一瞬、眞矢歌の声が彼の耳を打った。
「私って、つくづく臆病な人間だって、自分でも情けなくなるときがあるわ」
悠理はハッとして顔を上げ、眞矢歌を見つめた。
「何で?」
思わずムキになって強い口調で言ったことを後悔したが、眞矢歌もまた自分の想いに囚われているようだ。
「いつも再発の恐怖に怯えてばかりいるのよ。つくづく自分が嫌になっちゃう」
「そんなことはないよ」
また強い口調になってしまった。
今度は眞矢歌も少し愕いたように悠理を見つめ返している。
「ごめん、つい大きな声出したりして」
悠理はいつになく頬を熱くし、眞矢歌から慌てて眼を逸らした。
「子宮は幸か不幸か全部取ってしまったから、そっちは良いの。でも、私の場合、卵巣がね。もしかしたら、また手術しなければならなくなるかもって言われてて」
悠理は弾かれたように顔を上げた。
もしかして彼女は悪い病気にかかっているのか? 絶望にも似た暗い予感が胸をひたひたと満たす。
眞矢歌は悠理の気持ちを的確に読み取ったようであった。薄く微笑んだ。
「悪性じゃないの。でも、悪いものではないけれど、このまま大きくなるようでは放置しておくのは難しいって」
眞矢歌は小首を傾げた。