喪失、そして再生~どこか遠くへ~My Godness完結編
第3章 ♣海ほたる舞う夜♣
やっと見つけたと思った安息の場所もやはり、自分を受け容れてはくれなかった。明日からまた、ここではないどこかを求めて、自分は彷徨い続けるのだろう。
そう思った途端、空しさが一挙に押し寄せて、心にぽっかりと穴が空いたような錯覚に陥った。
「悠理さんは、私の気持ちを誤解しているみたいね」
唐突に紡ぎ出された言葉に、悠理はハッとする。
「私があなたを嫌いだなんて一度でも言った?」
弾かれたように顔を上げると、漆黒の闇の中、眞矢歌の黒い瞳がじいっと自分を見つめていた。
「私もあなたを好きよ」
眞矢歌は一語ずつ、噛みしめるように言った。打ち寄せ浜を洗う波の音だけが夜陰に響く。
「じゃあ、どうして―」
どうして、俺の想いを受け容れてくれないんだ? その続きは声になることなく飲み込まれる。
「好きだから」
眞矢歌の声が少し高くなった。
悠理は固唾を呑んで、眞矢歌の次の言葉を待つ。眞矢歌は自らを落ち着かせるかのように、ほっそりとした手のひらを胸に当てていた。
「好きだから、あなたの想いを受け容れられないの」
判るでしょと、眞矢歌は歌うように言った。
「悠理さんは私を幾つだと思ってるの?」
「俺とそんなに変わらないだろ。二十五、六くらい?」
しばらくして、眞矢歌の涼やかな笑い声が闇に響いた。
「何がおかしい? 俺は真剣なんだぞ」
「ごめんなさい。でも、物凄く勘違いしてるようだから」
そう思った途端、空しさが一挙に押し寄せて、心にぽっかりと穴が空いたような錯覚に陥った。
「悠理さんは、私の気持ちを誤解しているみたいね」
唐突に紡ぎ出された言葉に、悠理はハッとする。
「私があなたを嫌いだなんて一度でも言った?」
弾かれたように顔を上げると、漆黒の闇の中、眞矢歌の黒い瞳がじいっと自分を見つめていた。
「私もあなたを好きよ」
眞矢歌は一語ずつ、噛みしめるように言った。打ち寄せ浜を洗う波の音だけが夜陰に響く。
「じゃあ、どうして―」
どうして、俺の想いを受け容れてくれないんだ? その続きは声になることなく飲み込まれる。
「好きだから」
眞矢歌の声が少し高くなった。
悠理は固唾を呑んで、眞矢歌の次の言葉を待つ。眞矢歌は自らを落ち着かせるかのように、ほっそりとした手のひらを胸に当てていた。
「好きだから、あなたの想いを受け容れられないの」
判るでしょと、眞矢歌は歌うように言った。
「悠理さんは私を幾つだと思ってるの?」
「俺とそんなに変わらないだろ。二十五、六くらい?」
しばらくして、眞矢歌の涼やかな笑い声が闇に響いた。
「何がおかしい? 俺は真剣なんだぞ」
「ごめんなさい。でも、物凄く勘違いしてるようだから」