天馬の飼い方
第1章 俺の宿敵
靴を履き替えロッカーを開ける。
ドサドサッ
開けた途端に大量の手紙が降りかかる。
送り主の5割は、彼奴だな。
そんな手紙を3枚手に取り封を破る。
「えー…と、『ずっと好きでした。この気持ちは本物です。』これは違うな。彼奴じゃない。」
手紙を投げ捨て2枚目に移る。
「『天馬君!昔から大ファンでした。俺と付き合ってくれますか?』これも違うな。」
「これで最後か。
『お早う、天馬君。今日もいつも僕の心は君でいっぱいだよ。君の美しい肌、潤んだ瞳、びんびんに立ち上がった君の』
これだな。間違いねー!!」
――グシャグシャ、ポイッ。
…………
何だあの手紙!あっのヤろぉ!!
今日こそこの手でぶっ殺してやるっ
「やあ、天馬君。徹夜で書いた20通の手紙を捨てるなんて、酷くない?」
出たな。悪魔が……
「死ね、カスが。」
彼奴を殴るために振り上げた腕を掴まれる。
「っ!何だよッ!?」
「君がそういう風にするなら、今すぐここでキスしてもいいんだよ?」
にっこりと笑う悪魔。
「お前は大人しく殴られてろっ……んふ!?」