天馬の飼い方
第2章 ふざけんなっ
「くッそ!解けねえ……」
手探りで縄をいじくっても、全く緩まない。
それどころか、手首が擦れてヒリヒリ痛んでいた。
――ガチャ
ドアが開いて背の高い奴が入ってきた。
俺に向かって、にこやかに笑いかけるそいつは紛れもなくあの悪魔。
「空乃っ!!てめえ…ふざけんなっ」
「ああ……。なんて綺麗なんだろう…。
艶やかできめ細かい肌が、まるで熟れた果実のようだ…」
「気持ち悪いんだよ!」
空乃は変態じみた目で俺を見ている。
「っ…じろじろ見んな…!」
「失礼だなあ。じろじろ見てるんじゃなくて、縛られた君を視姦してるんだ」
ゾッとした。
口調はいつもと変わらないのに、今の空乃はどこか違う。
下手に刺激すれば、間違いなく俺は……
「それにしてもどうしようかな…。君のマネージャーはすぐに気付くだろうし。
早いとこ手を打たないと、天馬君が…」
空乃は何やら一人で考え込んでいるようだった。