君の声に恋をした
第3章 花山カントリー
「きっとあな~たが~♪」
「なにその歌」
クラスメートの美樹が
怪訝そうにこちらを見る
「え、花山カントリーだよ」
『花山カントリー???』
まわりにいた子達が一斉にこちらを向く
「ネーミングセンス悪くね?笑」
「えー そこがいいじゃん?」
「花山カントリーのボーカルって高校生なんでしょ?」
ひとりがぽつりと呟く
「そうらしいねー うちらと同年代であの歌唱力は反則でしょー 顔見てみたいな~」
「あー CD販売とケータイ配信だけなんだっけ? ネットとかで調べてみたら?」
「それがさー写真とか一枚も無いの。逆に不思議」
ガラッ
勢いよく扉が開く