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第六話 生存者

『あぁぁぁぁぁっ…』

嫌な匂いのするとある村… 空は薄暗く染まっていた

この村に何が起きているのかは分からないが今は分かる事が一つある

「この状況…悪くないか？」

「あぁ、いわゆるピンチって言った方が正しいな」

三体の怪物はロイとカイトをジッと睨み動かない

逆にこちらが動くと奴らの触手が動く

「成る程…【動くか動かないか】っていう状況か…」

だとしたら一騎打ちに相応しい 少しずつ…ゆっくりと…二丁銃であるアグネスを手に掛けた、その時である

バシュウッ！

「「！？」」

奴らの内、一体が突然と飛んできたフック付きのワイヤーに身体を絡み付かれた

そして物凄い音が鳴り響く

ギュルルルル！

物凄い音と共に絡み付かれた怪物の後ろに長刀を構えた人影が見えた

そして…

ズバァッ！

何かが斬れた鮮やかな音を立てながら怪物は血柱（ちばしら）を立て崩れ落ちた

「…」

長刀を持った男性は綺麗に着地してふぅと一つ溜め息をつく

『キシャァァッ！！！』

二体の怪物が男性に襲い掛かる

「あ、危ない！」

しかし、男性はロイの叫びを無視するかのように後ろを向かない

代わりに後ろを向いたのは二丁拳銃だった

バァンッ！ バァンッ！

二つの銃声が鳴り響く 二体はドサッと崩れ落ちる

一体は死んだもののもう一体は長い舌を蛇のようにうねうねとしなっている

『グガガ…』

怪物は起き上がろうとするが起き上がらない 男性が怪物を踏みつけているからだ

そして怪物の顔が上がったの同時にその額に拳銃を押し付ける

そして一言残した

「チェックメイト（王手）」

バァンッ！

銃声と共に大量の血が流れ込む

「「…」」

突然の事過ぎて二人は唖然する そして男性はこちらに振り返る

「大丈夫か？お前ら？」

男性はこちらにゆっくりと近づく

「あ、ありがとうございます」

二人は頭を下げる

「礼なんていらない。生存者がいないとほっとけねぇだろ」

「生存者？」

今、何て言った？

「あの、この村に何が…」

カイトが尋ねようとするがすぐに断ち切られる

大量の怪物が三人を囲んだのだ

「うわっ！」

二人は驚くが男性は冷静に言う

「お喋りは後だ！まずこいつらを始末するぞ！」