わたしの弟
第3章 しるし
…翔以外とのこんな格好。
翔は、もし、これ見たらどんな反応するんだろう。
ヤキモチ…焼いてくれる?
…そんなわけ、ないのにね。
不意に酒谷くんの骨張った大きな手がわたしの腰に回り、ギュッと力が入ったと思ったら、わたしの手が滑り、抱きしめ合う格好になってしまった。
…もっと密着するように…
「さ、酒谷くんっ?」
足の痺れは治まったけれど、手を離してもらわないと退けない。
し、しかも、さっきよりも密着している私達。
これ、さっき見てたエロ本にも似たような写真…あった。
この後は確か…、相手の手が、するりとお尻から太ももにスーッと、
「っひゃ!」
わたしの思い出しと同じ動きを、酒谷くんがしてきた。
触れるか触れないかの手の移動が、余計に身体を攻撃する。
ダメ…っ、変になっちゃう!
一度止まるも、また動きだし、太ももをサーっと優しく撫でてくる。