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第3章 キッカケ

実加に連れていってもらったライヴから、はや、2年。私たちは共に19歳。同じ大学に合格し、音楽大学に通っている私たちは2年前とは変わらず、super super というバンドが好きだった。

特に・・・私はヴォーカルの
花橋キョウタ
に、恋をした。
たぶん、頭の中の5割はキョウタの事だと思う。ってほど。
呼び捨てで悪いけど。それがきっかけで私は歌手を目指すようになった。実加は声楽家になるという夢をみつけた。実加らしい、いい夢だと思う。
毎年、欠かさず行っているのはやっぱり、super super のライヴ。
やっぱり・・・、最高。フフっ。





そんなことを四六時中考えながら、講義室に残って一人、勉強をしていた。
参考書に手を伸ばしたとき、シャーペンが肘にあたって床に落ちた。
「あっ・・・」
ふぅ、と小さいため息をつきペンを拾おうとしたとき、私の手ではない、誰かの手が素早くペンを拾い上げた。
「へっ・・・?」
びっくりした目でペンを拾い上げた人を見たら。








「花橋・・・キョウタ・・・?」

穏やかな目で見つめる、その人は私の大好きな花橋キョウタだった。
「勉強お疲れ。偉いね。いつもここにいるよね?何年生?」
笑顔を崩さず、慣れた感じで喋りかけてくる。
「え、いやっ、あの・・・。1年です。普通科の・・・。」

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