俺はもう、
第5章 *卒業...
「でも、克服したもんな。
"初めて" 乗り越えたんだろ?」
「なんでそのこと・・・」
「翔太に言われた。
好きな女が自分の親友に抱かれるってどんな気持ちなんだろうなって。」
優の目は優しくて切ないー・・・
「とりあえず、良かったな。」
「優のバカ・・・」
「は?」
「私、まだ "初めて" してないもん。」
「嘘でしょ?」
「ほんと・・・。
指、入らなかったの・・・」
「まじで?」
コクッと大きく頷くと、慣れた視界で見える目を真ん丸く見開いた優の表情ー・・・
しばらく、そのままフリーズした状態で見つめ合う。
「じゃあ、まだ処女・・・?」
黙って頷いた玲奈に優の口元が思わず緩んだ。
「なんで笑うの!バカにしないで!!」
「いや、バカになんてしてないから!素直に嬉しかっただけだって。」
「嬉しい?優が?」
「なんだよ、その反応。」
「ううん。別に。」
優にぎゅってされて、心から落ち着いた。