俺はもう、
第3章 *宣戦布告..
「友達も一緒だったんだ。」
「うん、ごめ「桐谷くんに会いに来たの。」
目をハートにした夢ちゃんの勢いに私の言葉は掻き消された。
「優なら先に教室で席とってるよ。
あれ?そういや、優は来ること知ってんの?」
「ううん。秘密にして驚かそうと思って!」
「へー。」
広い敷地を5分くらい歩くと、河野くんが立ち止まった。
「ここ。入って奥のドアね。」
河野くんの言葉に数m先を歩いてた夢ちゃんが先に入る。
「ねぇ玲奈ちゃん、」
「ん?」
呼び止められて振り向くと、ドアが閉まって間に合わなかった。
「あの子、名前なんだっけ?」
「え?今さら?」
拍子抜けて思わず笑ってしまった。
「俺、あの子印象になかったから(笑)」
自分の性格が悪いのか、
一瞬、少しだけ、嬉しかったりもする。