
俺はもう、
第4章 *どっちが大事?...
今の優は私のことが好きだった頃の優とは違う。
もう立派に他の子を好きになってるのにー・・・
そんな優を私は汚いと思ってしまった。
「あっ、玲奈ちゃん!
遅かったね。もしかして迷っちゃった?」
授業前の教室に戻ると、河野くんの前に腰掛ける優と目が合った。
咄嗟に逸らすと、迷わず河野くんの隣に腰掛ける。
「今ね、優たちが帰りカラオケ行かないかって。どうする?」
私の答えは即答だった。
「いい。帰る。」
「・・・玲奈ちゃん?
なんか、怒ってる?」
「ううん、そうじゃなくて。
私、河野くんと2人で遊びたいの。」
あまりに積極的すぎる玲奈の発言に周りは固まる。
「そ、そう?
じゃあ、今日はやめとこっか。」
『玲奈、別に私たちに気遣う必要ないんだよ?別に私たちも2人きりになりたかったら誘わないんだし。ね、優?』
「私が河野くんと2人がいいの。
それにあんまり桐谷くん得意じゃないから。
夢ちゃんには悪いけど、好きじゃないの。こういう人。」
なんかムシャクシャしてて、普段だったら口にしないようなことも平気で言ってしまう。
