季節を重ねていく度に。
第1章 出逢い。
けど、こいつ桜井 千尋も
めちゃくちゃ人気がある。
暗い髪色に、切れ長の目。
185はある身長にガッチリした体。
基本ラフな格好でクール。
高一で、みんな慕っている。
モテ要素を全て兼ね備えた桜井はとにかく人気だ。
「…お前、神崎のこと好きなのか?」
「……へ?」
桜井はアタフタしたように瞳を泳がせ、タバコを靴で消した。
「べ、別に何もねぇけどなっ!?」
「ふーん…?何、もしかしてあたしのこと好きなの?」
「ばっ!ちげぇよ!」
「あ、そうですか(笑)
すいません思い込み激しくて」
暗くてよくわからなかったけれど、明らかに桜井は自分の顔を腕で隠していた。