テキストサイズ

あなたのそばで笑っていたい

第13章 進路

《コトンっ》


『凄い集中力だね。ホットミルク入れたから、休憩しない?』


見るとカップから真っ白な湯気が上がりほんのりと甘い香りがしている。


『ありがとう。ん~!』


ずっと同じ姿勢で勉強していたので大きく伸びをして首を回す。


『いただきまぁす。』


(ホッとする…。)


お兄ちゃんは椅子に座り、また机に向かってる。


(もう12時すぎてるし切り上げよう。)


テーブルの上の勉強道具をまとめ、お兄ちゃんの仕事をこっそり覗き込む。


『わぁ…。』


お兄ちゃんが何の仕事をしているのか知らなかったけど…洋服のデザイン?


『ん?えみは終わったんだね。お疲れ。』


『あ…ごめんね、邪魔しちゃった。』


『はは(笑)3つ描き終えたんだけど、ちょっと物足りなくてさ…考えてたとこ。』


『…おさむ兄のデザイン画?

どの服も凄く良い!』


『ありがとう。店でいくつかオリジナルのオレのデザインした服置いてるんだ。』


『え!!すごい!デザインした服置いてるってアパレルやってるの?』


『…ん。店長。』


『なんか、すごい!』


(おさむ兄、かっこよすぎるよ。)


『凄くはないけど、好きなことを続けられるのは有難いことかな。

…えみは洋服興味ある?』


『これでもピチピチの女子高生だよ(笑)友達とショッピングいったり雑誌見るのも好き。』


『あははは(笑)。』


『見せてもらっても良い?』


『どーぞ。』


3枚のデザイン画を受けとる。


(3つともガーリーな感じの服。帽子や靴、ストールまで描いてあって凄く着てみたいっ。

こんな風に描くんだ…。)


『このデザインなんて、この夏着てみたいって思うね~。』

(黄色とピンクのコントラストが可愛い。)


『私もあやとあやめの3人で服が被らないんだけど、この3つのデザインもガーリーな感じなのに被ってなくて…それぞれ個性があって良いねぇ。』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ