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あなたのそばで笑っていたい

第13章 進路

朝食もお弁当も作り終えたので、そのまま学校の支度をすませてきた。


(そろそろおさむ兄…起きる時間かな。)


ダイニングテーブルへ行きお兄ちゃんの隣の席に座る。


(昨日のデザイン画完成したかなぁ~早く見たいなぁ。)


お兄ちゃんを見てみると、すーすーとも言わず静かに眠っている。


腕を組んで枕にし、ちょうど私の座ってる方に顔を向けている。


(おさむ兄…まつ毛なが…。
鼻も高いし…良い匂いするし…。
口元は笑ってて幸せそうな寝顔。
キレイな顔立ちしてるな…


…って、オイオイ私は変態か。)


頭を振り恥ずかしくなる。


《♪~》


そこへお兄ちゃんの目覚ましが鳴るもんだから、やましいことをしていないのにドキドキ心臓が大きな音を立ててる。


(はぁ、びっくりした…。)


『ん…。』


お兄ちゃんは目を閉じたまま、頭を上げて首を伸ばしてる。


『ふわぁぁ。あっ、えみぃ。おはよ…。』


眠そうで、目もとろんとしてる。


『おさむ兄、おはよう。夕べ遅くまで頑張ったんだね。』


『ああ。アイデアを残しておきたくて。…おかげで良いのが描けたよ。
この3枚が手直ししたもので、こっちの3枚はえみのアドバイス聞いて思いついたもの。
見てみて。』


『わぁ…。』


昨日見せてもらった3枚は、私が言った内容を雰囲気的に拾っていても…


(さすがプロ…。
3枚ともそれぞれ個性は持ったまま。
素敵…。)


『昨日の作品より更に着てみたいって思った。
おさむ兄…すごいね!』


『もう3枚見てみて。』


私はまだ見ていない3枚をテーブルに広げる。


『!』


(これ…。)


その3枚は、私が生意気にも言ったことがそのまま反映されていて…しかも別の作品として姿を変えて描かれていた。


『おさむ兄…これって。』


『えみには才能があるな。
描いてて、この服を好きになってくれるお客さまは多いだろうなと思ったよ。』


『描いたのはおさむ兄だし…。生意気いっちゃったのに…。何かありがとう。』


『いいや。違うよ。オレから、参考にさせてもらってありがとう。だよ(笑)』


『ふふ(笑)おさむ兄の服、素敵だよ。
わたしも何か貢献できたみたいな気になって嬉しい。デザイナーだなんて凄いねおさむ兄!かっこいいなぁ。』

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