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あなたのそばで笑っていたい

第14章 きっかけ

『わぁ。似合ってますね!可愛い。』


試着を終えカーテンを開けると、お姉さんがとびきりの笑顔で誉めてくれれた。


『おっ♪似合う似合う!良いじゃん~。』


さっき入口で会った男の人も笑顔でそう言ってくれた。


(何か恥ずかしいな。)


結局…可愛くて気に入ったのと、おだてられたのとで、買うことにした。


レジへ行き、包んでもらっている間にお財布を開ける…


『えみっ。』


少し離れた所からお兄ちゃんに呼ばれた。


『おさむ兄。お疲れさま。』


『………。


店長、知り合いですか?』


包装を終えたお姉さんが訪ねる。


『そっ。オレの大事な人。なっ♪』


(また…笑顔でそういう冗談をサラッと言う…。)


『えみ、何買ったの?』


『まだお金払ってないけど、ワンピース。』


『店長デザインのですよ。』


『へぇ、嬉しいな。じゃ、ここはオレが払うよ。』


『え?でも…。』


『社販だしね。気にすんな。』


そう言って払ってくれた。


『ありがとう。』


『いいって。』


そこへさっきの男の店員さんが来た。


『何だぁ店長の彼女なんスか?


可愛いって目つけてたのになぁ~。』


『えっ………?


ふざけてたんじゃ…』


女の人も驚いてる。


『おぃ。
目つけるのは良いけど、手はつけんなよ。


オレの大事な人だから。


それじゃ、会議終わったから昼食べてくるわ。


えみ行こっ。』


『ちぇ…。行ってらっしゃ~い。』


『行ってらっしゃい…。』


(え…。


何だろう?今一瞬、あのお姉さんが私を見る目…)


『えみ。行くよ。何食べたい?』


『おさむ兄、待ってよ。』


お兄ちゃんに着いてお店を出た。


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