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あなたのそばで笑っていたい

第14章 きっかけ

『ご馳走様でしたっ。』


私たちは5階にあるパスタ屋さんでランチをすませた。


『で、何買ってくれたの?』


おさむ兄が袋をチラッと見て、私に視線を戻す。


私は袋をあけて、キャミソールワンピースを広げる。


『これ、可愛いって見てたんだ。試着して、おだてられてついつい…。』


『帰ったら着て見せて。えみはこういうの好きなんだ。


自分のデザインした服を来てもらえるの本当に嬉しいよ。』


『おさむ兄の服、私好きだな。


そう言えば…、高校卒業後にどうやって今のお店の店長になったの?』


ジュースを飲みながらおさむ兄を見る。


『ん?卒業してから、大学に入ったんだ。元々は男子服のデザインを作りたかったんだけど、フェミニンな服をデザインしたら女子にウケが良くて…。
先輩が店を出して、そこでバイトしてたんだけど、大学卒業したら2号店の店長に誘われたんだ。
今は先輩に感謝してるよ。』


『へぇ。何がきっかけになるかわからないんだね。』


『まぁね。


まだ時間あったらお店来る?』


『少しだけ、おさむ兄のデザインしたもの見ていきたいな。』


『よしっ決まり。じゃ、行こっ。』

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