テキストサイズ

あなたのそばで笑っていたい

第14章 きっかけ

(ここか…。)


私は深く深呼吸する。


服飾デザイン専門学校…。


体験入学とあって緊張する。


何人かの男女と入口に集まり、中に通される。


(ヨッシーから聞いた体験入学は月末なんて言ってたけど…こんな早いなんて…。
ヨッシー…
週末と間違えるんだもんな…。)


体験入学はヨッシーと話した週の土曜日だった。


『ふぅ…。』


『どうしたの?緊張?』


目をくりっとさせた隣の女の子が声をかけてくれた。


『うん…。
知ってる人いないし、何するのかドキドキするなぁって。


あ、私の名前は武井えみ。よろしくね。』


『よろしくっ。


隣が武井さんで良かった~。


私は北野きい。キ~って呼んで。


私もえみちゃんでいいかな?』


『えみで良いよ。』


お互い自然と笑顔になる。


『えみは緊張してるのかぁ…。


私はずっと楽しみにしてたんだ~。


どんなところか見てみたくて~
あぁ、ワクワクするっ♪』


凄く明るい子で、話していると緊張が楽しみに変わっていった。


『キ~ありがとう。おかげで、緊張がほぐれたよ。』


少し話していると、先生や先輩たちが何人か入ってきた。


早速、グループ分けが行われ…


キ~とはグループが一緒になり、その後学校内を先輩に案内してもらう。


外からの見た目はシンプルな造りだったけど、中は結構広くて部屋もたくさんあった。


服をデザインするだけでなく、形にして、コーディネートまでしている。


同じデザインなのに色を変えるだけで、違う服のよう…。


実際に先輩方が取り組んでいる姿は、真剣で…
それでいて楽しそうで、見学してるどのグループもワクワクした子供のような表情で見つめている。


その後、実践させてもらうことになり…


夏の服のデザインを各自で行い、ハギレをつけて、作品をグループ内で紹介しあった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ