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あなたのそばで笑っていたい

第15章 遊園地

夕方にお兄ちゃんが帰宅してから、一緒に夕食作り。


『学校見学行って良かったな。


メール貰ったときオレも嬉しかったよ。


“おさむ兄~体験入学終わったよ☆
私もデザイナーになりたい!”って。』


私は人参のみじん切りをしていた手を止めてお兄ちゃんを見る。


『体験入学して、凄く刺激をうけたの…
今まで何になりたいっていうより、家を出たい口実だけだったから…


おさむ兄、私こっちでバイトしてお金貯めるから…専門学校いってもいいかな?』


お兄ちゃんは卵を溶く手を止めて、優しい笑顔を向けてから…


『当たり前だろ。
はじめからえみは学費も何も心配しなくていいんだから。』


(そうもいかないけど、おさむ兄…)


『ありがとう。』


全ての野菜をみじん切りにしたので、オムライスを作り始める。


隣でスープを作るお兄ちゃん。


(大人の恋人同士ってこんな感じなのかな♪


なんて…(笑))


『行きたい学校も決まったし、いつも勉強頑張ってるから~明日は遊園地いかない?仕事休みなんだ。』


ドキッ


(これじゃ…ますます恋人みたいじゃ…。)


『…行きたい。でも、いいの?』


お兄ちゃんは笑顔で頷く。


『おしっ決まり。
たくさん笑って楽しんで、来週からまた勉強頑張ろ。』


ニコッっと笑うお兄ちゃんにつられて私も笑う。


(いとこだし…兄妹みたいなもんだから、遊園地くらい良いよね?)


《♪…♪…》


『えみ、電話じゃない?こっちいいからでといで。』


頷き、リビングのテーブルにある携帯を手にとる。


『あやめ?どーしたの?』


『もしもし、えみ?
体験入学行って進路決めたってメールもらったから~メール読んだ?』


『メール?ごめん。見てない…。』


『そっか。
明日えみどうしてるかなぁ?
あやとけんともあいてるっていうし~みんなで遊園地行こうよお!!
ね♪』


『……え…?』


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