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あなたのそばで笑っていたい

第15章 遊園地

『おさむ兄は絶叫系って得意なの?』


ホームに降りて階段に向かいながら聞く。


『乗り物の絶叫系は好きだけど、ホラーは苦手(笑)』


私は以前…おじいちゃん家の空地で私に本気で驚くお兄ちゃんを思い出して笑ってしまった。


『富士急のはかなりヤバいんだって。


ここの遊園地のホラーも本物がいるって有名なんだ。


笑ってるけど、えみを連れてくからな(笑)』


お兄ちゃんのいたずらっぽい顔。


階段を登りながら、お兄ちゃんを見る。


『本物かぁ。楽しみにしよっ。』


と、後ろから掛けてきた人のバックに当たりよろけてしまった。


反対側にいたお兄ちゃんが抱き寄せて転ばずにすんだみたい。


『大丈夫か?』


(ち…近い。)


再会してから、幾度となくこうして助けてもらったり慰めてもらい、近くにお兄ちゃんを感じたけれど…


(なんで…ドキドキするんだろ。


顔が熱いよ…。)


『ありがとう…。


おさむ兄のおかげで転ばずにすんだね。』


改札口をでると、あやとあやめが手を振って待っていた。


『えみっ、お兄さん!!』


あやめが元気に呼んでる。


『『おはよう。』』


あやとあやめはお兄ちゃんをチラチラ見てる。


『おさむ兄、この子があや。この子があやめです。』


『『ども~♪』』


『で、こちらがおさむ兄です。』


一応みんなを紹介しては見たけど、すぐにうちとけて仲良くお喋りしてる。


『あっ、けんと~!!』


あやめの声に改札口に目を向けると、けんとの姿があった。


『けんとおはよう。』


『あぁ…おはよ。』


(ん…?)


『お兄さん。


えみちゃんの彼氏のけんとくんです。』


ちょっと間があった気がしたけど、気のせいかな。


『けんとくん。えみのこといつもありがとう。


今日はみんなに会えて嬉しいよ。』


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