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あなたのそばで笑っていたい

第5章 いつもと違う学校とアルバイト

けんとと食べ終わってから、ブランコをこいでいた。


こんな風にブランコにのって笑って、
私たちは子供だね。


そんな風に笑って話していたら、
ブランコを止めてけんとが言った。


『えみ。こっちきて。』


『ん?』


ブランコを止めて、けんとの側まで行く。


《トントン。》


けんとは自分の膝を軽く叩いて、私を見る。


『え?イヤだよ…恥ずかしい。』


(ここに座って、と合図をするけんと。)


『あっ…!』


けんとに腕を引かれ、よろけてけんとの膝に座ってしまった。


『何これ…恥ずかしいよ。』


『子供のときやったじゃん。
二人乗り。』


『きゃっ。』


抱えられるようにして、けんとが軽くブランコを揺らす。


(確かに懐かしい…。

お母さんに抱っこされて、ブランコ乗ったことがあったっけ。

お父さんとは遊んだ記憶がない…。

二人乗り…か。)


けんとの腕に涙がこぼれたらしく。


『泣いてる?』


優しく声をかけられる。


ブランコを止めてギュッと後ろから抱きしめられた。

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