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あなたのそばで笑っていたい

第8章 再会

どれくらい歩いたのか…
きっともう真夜中だ。


バッグの中に時計があることに気がついたけど…。


時計をみる気分ではなかった。


『あっ…。』


おじいちゃんの家が近くなり、蛍が見えはじめた。


黄緑色のほんわか温かな光が辺りに見えてきた。


(懐かしいな…。)

小さいころから毎年見ていた景色。


おじいちゃんが亡くなってからは門限も気になり、
暗くなる前には電車に乗っていたから…
中学のとき以来。


(きれい…。)


私のまわりにたくさんの蛍がクルクル飛び回る。


『クスッ。みんな…私を歓迎してくれてるの?

嬉しいな…。』


なんて蛍に話しかける。


蛍を見ながら、
まっすぐ歩いていくと…
ようやく右側に車1台通れるだけの道が見えた。


ここを入っていくと…
おじいちゃんの平屋があった場所。


今は更地になり、空き地になっていた。


真ん中に折りたたみ椅子がある…。


不思議に思ったけど、誰かの置き忘れかと思い座った。


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