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あなたのそばで笑っていたい

第8章 再会

(あれからどれくらい泣いていたんだろ…。)


『うっ…、ヒクッ、…ヒクッ…。』


(泣きすぎてしゃっくりは止まらないし…。
鼻はつまってグチュグチュだ。)


風も出てきて、
いつの間にか蛍の光がちらほらとしか見当たらなくなってきた。


(少し…寒いな…。)


空を見上げると…
家の方では見られないくらい、
たくさんの星がちりばめられている。


(蛍もきれいだったけど…。)


『星も…ヒクッ、きれい…ヒクッ。』


泣きすぎて、鼻声でしゃっくりもとまらない。


これからどうしたらいいかわからない…
そんな状態でも、
蛍や星をきれいだと感じることができる。


『私って案外タフだな…ヒクッ。』


『うわぁっ…』


(誰!!?)


『ひゃっ!』


振り向くと…。


空き地の入り口の方に誰かが立っている。


(シルエットしか見えない…。)


『うわぁ、オレ恥ずかしいなぁ。
幽霊かと思った(笑)。
こんばんわ。
地元の人ですか?』


(声からすると…男性。
私もこれまでかな…!?)


『……。』


どんどん近づいてくる男性。


ドックン!ドックン!!


暗闇が怖いと感じないほど脱け殻になっていたはずなのに…。


(今は怖い…。)


『どうしました?』


男性は目の前まで来ると、
座って下を向いたままの私に声をかける。


(犯されて…山に捨てられるのかな…!?)


無言のまま、私は目の前にたつ人に顔を上げた…。


『うわぁぁ。』


その人は叫んだ。


『え?』


……………。

………。

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