テキストサイズ

あなたのそばで笑っていたい

第9章 大きな一歩

『えみ。車に乗って。』


『…うん。』


《バタン》


(やっぱり…帰りたくない…。
おじいちゃんに頑張るって言ったのに…。

手が震える…。)


ふわぁっと優しくて温かいお兄ちゃんの大きな手が…
私の震える手を包んでくれた。


『えみ。兄ちゃんにまかせな。大丈夫だから。』


車が動き出す。


あの家に向かって…。


(でも、なんでかな…。不思議と不安が消えていく…。)


『まだ朝早いし、おじさんが仕事行くのに間に合うから。
これから話に行く。
オレがついてるから。』


お兄ちゃんは運転席から助手席に座る私の頭をポンポンとした。


『大丈夫。』


そう言い聞かせるように…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ