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あなたのそばで笑っていたい

第9章 大きな一歩

《ピンポーン♪》


『はい。』


継母だ…。


『ご無沙汰しています。おさむです。』


…………。


…。


リビングには父親が座っていた。


継母は少し離れたところに立っている。


『おさむくん。久しぶりだね。
どうしたんだい、こんな朝早く。』


何事もなかったかのように父親はお兄ちゃんに話しかける。


『仕事の準備もあるから、失礼するよ。』


父親は、立ち上がってこの場から去ろうとしている。


(いつもそう…。)


『おじさん、待ってください。
えみの額の傷や左腕のアザ…
たくさんの絆創膏の理由はご存知ですか?』


『あぁ…。階段から自分で落ちたんだろう。』


(…この人はこういう人だ…。)


『とぼけないで下さい。
こんなアザが階段から落ちてつくはずがない!
おじさんたちがしていることは、虐待だ。』


『何言ってるの!?虐待!!?
この子がどうしようもないからしつけてるんでしょ!この子がっ!!!』


『んっ!!!イタ…っ!!』


継母が私の髪の毛を掴み引っ張る。


『えみに何やってんだよ!!』


お兄ちゃんはすぐに継母を後ろから抑え込み動けなくなした。


『おじさんはいつもそうやって見てるだけだったんですね!?
それもれっきとした虐待ですよ!!
えみは、オレが保護します!!!』


『警察呼ぶぞっ!!!』


継母が叫んだ。


『呼べばいい。
虐待であんたたちが捕まるだけだから。』


父親が思いもよらない言葉を口にした。


『祥子やめなさい。おさむくん、わかったよ。』


(え……?)


『祥子…仕事の準備がある。おさむくんにえみの通帳を渡して今後の話をしてくれ。』


《トン、トン、トン、トン…》


そう言うと2階にいってしまった。


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