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あなたのそばで笑っていたい

第9章 大きな一歩

継母も静かになり、
引き出しから私の通帳を出した。


『えみ…、今後の話をするから。
その間に車に入るだけの荷物を準備できるか?

運ぶのはオレがやるから、部屋にまとめといて。』


『うん…。』


急な展開に頭が…
心が追いついてない…。


《トン、トン、トン、トン…》


(喜んでいいのかな…。

ここから…
この家から出ていける…。)


部屋に入る…。


大きなバッグを2つ用意し、学校関係のものと洋服を入るだけ入れた。


もちろん印鑑も…。

もう2度とここには戻らない。


意外に持っていかなければならない荷物はそれほど多くなかった…。


《ガチャっ》


(お兄ちゃん…)


振り向くと父がいた。


『お…父さん…。』

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