あなたのそばで笑っていたい
第10章 新しい居場所
お兄ちゃんは東京で一人暮らしをしていると言った。
車でお兄ちゃんのマンションに向かう途中で…
ファーストフードのドライブスルーによった。
私がいらないと言うので…お兄ちゃんが適当に頼む。
東京湾が見えてきたところで、車が止まった。
『えみ。降りてごらん。』
《バタン》
(風…気持ち良い…。)
潮風がほんのりと海の香りを運んだ。
『ここで朝ごはんにしよっ。』
お兄ちゃんがファーストフードの袋を取り出すと、
私をベンチに誘導する。
『はい、飲んで。』
冷たいドリンクを渡されたので、一口飲んでみる。
コクン。
喉がひんやりとして気持ちいい。
『えみ。こういう時こそ食べて気分転換だよ。』
お兄ちゃんがバーガーを渡す。
『食べたくない…。』
私は首をふり、受け取らなかった。
『ふぅ…困ったな…。
…。
口移しするか?』
(…?)
そう言うと、私の肩にお兄ちゃんの腕を回し、ポテトを加えた顔が近づいてくる。
『おさむ兄…冗談だよね…?』
そのまま…
ポテトが押し込まれ、唇が触れないところで離れていった。
(冗談じゃなかった…。)
『次も食べさせなきゃダメかな?』
(笑ってるけどちょっと怒ってるような…。)
『自分で食べられます!』
そう言って私はバーガーを口に入れた。
車でお兄ちゃんのマンションに向かう途中で…
ファーストフードのドライブスルーによった。
私がいらないと言うので…お兄ちゃんが適当に頼む。
東京湾が見えてきたところで、車が止まった。
『えみ。降りてごらん。』
《バタン》
(風…気持ち良い…。)
潮風がほんのりと海の香りを運んだ。
『ここで朝ごはんにしよっ。』
お兄ちゃんがファーストフードの袋を取り出すと、
私をベンチに誘導する。
『はい、飲んで。』
冷たいドリンクを渡されたので、一口飲んでみる。
コクン。
喉がひんやりとして気持ちいい。
『えみ。こういう時こそ食べて気分転換だよ。』
お兄ちゃんがバーガーを渡す。
『食べたくない…。』
私は首をふり、受け取らなかった。
『ふぅ…困ったな…。
…。
口移しするか?』
(…?)
そう言うと、私の肩にお兄ちゃんの腕を回し、ポテトを加えた顔が近づいてくる。
『おさむ兄…冗談だよね…?』
そのまま…
ポテトが押し込まれ、唇が触れないところで離れていった。
(冗談じゃなかった…。)
『次も食べさせなきゃダメかな?』
(笑ってるけどちょっと怒ってるような…。)
『自分で食べられます!』
そう言って私はバーガーを口に入れた。