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あなたのそばで笑っていたい

第11章 初めての携帯

ふと、壁の時計が目に入る…。


『10時半…。』


『ん?どうした?』


私が呟いたので、尋ねるお兄ちゃん。


『はじめて門限の8時を意識してなかったなって…。
習慣だったのに。』


『そっか。』


『心からこ~んなに楽しめたのはじめてだよ。
…時間を気にしなくて過ごせたのも。』


『そっか。』


『おさむ兄…救ってくれて…
本当にありがとう。


ずっと誰か助けてって思いながら…
それは叶わないと思ってた…。


でも叶った…。


しかもこんなに楽しくてたくさん笑ってるなんて。』


安堵感と幸福感で笑いながら、涙がながれ落ちる…。


『…ありがとう。』


私がそう言い終わると同時に、抱きしめられた。


トクンっトクンっ…。


お兄ちゃんの心臓の音を聞くと落ち着く…。


『今まで、気づいてやれなくてごめんな。
もう大丈夫だから。』


あやすように頭を撫でられた。

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