テキストサイズ

あなたのそばで笑っていたい

第11章 初めての携帯

『おさむ兄、お風呂あいたよ。』


先にシャワーを浴びてきて、お風呂を交代した。


リビングにある携帯を持ち、部屋へ向かう。


《パタン》


ドアを閉める。


…はじめての自分の携帯。


(けんと…出てくれるかな。)


《プ…プ…プ…プルルルル…》


しばらく鳴っている。


『もしもし?』


けんとの声が聞こえる。


『もしもし、けんと?』


『えみか!?』


『うん。』


(声で分かってくれた…。)


『たくさん心配かけてホントごめんね。』


『そんなことより…元気はあんのか…?』


『元気だよ。』


『明日は会えるんだよな?』


『うん。』


『そっか。
…早くえみに会いてーな。』


『うん…。あやとあやめにも心配かけちゃったね…。』


『あいつら泣いてたよ、えみに何かあったのかもって…。


けどヨッシーが家の事情で休んでることと、俺らにだけ親戚といるって教えてくれて。


安心したんだけど…。


放課後…もしそれが嘘だとしたらってあやめが言いだしてさ。』


『そうだったんだ…。』


(それで家に向かってるなんて言ってたんだ…。)


『明日会ってからみんなに話すね。』


『うん。』


『この携帯。私のだから登録しておいて。』


『えっ?』


『買ってもらっちゃったんだ♪』


『初携帯おめでとう。』


『ありがとう。じゃ、明日ね。おやすみ。』


『おぅ。明日な。』


《プーっプーっ…》


けんとにもあやにもあやめにも、
明日直接ごめんねとありがとうを伝えよう…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ