
彼に溺れた美女
第10章 残り3日 優ver
バシッ
こいつに殴られて今自分が
何をしたか分かった
目の前には好きな女
すごく取り乱している
目をまっかにして…
どれだけ泣いたのかさえ分からない
なのにまだ恐怖で震えながら
泣いている
一番大事にしなきゃいけないひとなのに…
傷つけてしまった…
「羅美…ごめん、俺」
一歩近づくと
羅美は怯えながら後ろへ
後退りした
胸が傷む…
今すぐにでも抱き締めたいのに
ゆっくりと近づく
彼女は壁まで下がり
もうこれ以上下がれない状況
涙がいっぱい溜まってる目で
こちらを見てくる
恐怖の目で、
軽蔑の目で、
悲しみの目で、
怯えた目で、
