恋愛アノマリーズ×1学期
第2章 入学式前日、先生と
「それにしても、制服姿格好いいですね」
まだまだかかる道のりの気まずさを紛らわせるために、そう本音を口にした。
180㎝はあるんじゃないかという長身に、その身長へ似合うスタイルの良さと端正な顔立ちが加わって、本当に何でも着こなせてしまう人なんだろなと少し頬を弛緩させる。
すると彼は「そうか?」と何でもないように聞き返して、視線をすぐに私から逸らして窓の外へと向けた。
濃いグレーのブレザーに赤いネクタイを締めた遥さんの姿が窓ガラスに映り、反射したものが私の目に映る。
きっと、学校が始まって周りの生徒たちと関係を持つようになったら、今以上に避けられるんだろうなとか。
どうしようもないことを考えて、私は弛緩させた頬をもとに戻した。