恋愛アノマリーズ×1学期
第2章 入学式前日、先生と
結局無言のドライブが続き、学校の敷地内へ入ってすぐさま遥さんは私から離れて行った。
学校へ入ってすぐに行くべき場所と、その地図はもらっているから何も問題はない。
それでも、ほんのり同行を期待していただけに、自然と口からはため息が漏れた。
送ってくれた運転手の人へお礼を言って車を見届けてから、私は「さて」と周囲を見渡す。
入学式は明日ということで、当然校地区域である校舎前の正面玄関には生徒の姿など見当たらなかった。
きっと寮区域にいるか、部活動で部活棟区域にいるか、入学式の準備へ敷地内の奥にあるという青陵館に皆いるのだろう。
そのことに少し安心して、私は五階建ての赤いレンガの外壁である校舎を目指して歩き始めた。