恋愛アノマリーズ×1学期
第2章 入学式前日、先生と
先ほどの区域だなんだという言葉で察しが付くだろうが、青陵高校の敷地はとんでもなく広い。
グラウンドはなぜか三つもあり、プールや図書館、食堂やラウンジなどの施設も充実している。
道沿いをやってきた車が通される正面玄関から校地区域、部活棟区域、寮区域、青陵館と奥に行けばいくほど山のふもとへと近づいていく。
ちなみに、周囲には何もない。
休日にのみ出されるというバスで30分ほどの場所に駅があるらしく、遊びに行く生徒はそこから移動するのだそうだ。
どこか閉鎖的な印象を与えるそれに首をかしげつつ、ガラスの扉を抜けて校内へと足を踏み入れる。
外装はともかく、中は漫画にありがちな普通の高校といった感じだ。
ただ、どこもかしこも恐ろしくきれいではあるけれど。