恋愛アノマリーズ×1学期
第2章 入学式前日、先生と
「で、寮に行くんだけど、その前にこれを準備室へ置きに行ってもいいかな?」
段ボールに目をやりながらそう言った九条先生へ、私は別段何も考えずに「どうぞ」と答える。
「ごめんね。それじゃあ、行こうか」
「はい」
来賓用のスリッパを出してもらって手にローファーを持ちながら、私は廊下へと足を踏み出した。
そして少し前を行く九条先生の白衣を見つめながら、どうして現国の先生なんだろうと疑問に思う。
てっきり理系の先生あたりだと思っていたのに。
「でも、私立の男子校に就職して女の子の生徒が持てるとは思わなかったな。うん、ラッキーだ」
目の保養、目の保養。
そう独り言のように呟く九条先生へ、後ろから気になっていた質問をした。