
恋愛アノマリーズ×1学期
第2章 入学式前日、先生と
室内にはすべての壁を埋め尽くすように本棚が置かれていて、昼間だというのにカーテンは閉め切られていた。
電気の付けられたその場所には教材が雑多に並べられていて、職員室にあるようなイスと机が三セットほど並べられている。
ここも資料はあまり整理が行き届いていないようだけれど、部屋自体はとても綺麗に掃除されていた。
「あー、重かった」
段ボール箱を机に置いた九条先生は、肩を回してから伸びをした。
そして扉の前に立っている私へと向き直って、「そこの鍵、締めてくれるかな」と朗らかな笑みで言った。
私は何も思わず鍵を閉めて、じいっと九条先生を見つめ返す。
こういうときにどうすればいいのか、雪斗兄さんへ教わったように何も考えず先生の次の言葉を待った。
