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蜜壺

第2章 枯れる女

和真は約束の時間より20分早く来た。

ラフな服装はいつもと同じだ。
ブルーグリーンのシャツにチノパン…キャップを深めにかぶっている…
イマドキの子と比べればどちらかと言うとオトナシメだろう…


どういうつもりだろう?
感じさせてやるなんてそんなテクニックもないくせに
口先だけでその場凌ぎのはずみで言ったんじゃないかしら。
そんなこと言えばほいほい抱くことができるとでも思ってるのかな…
そんな軽いオンナに見られらのかな…

でも…昨夜の和真の顔はそんな表情じゃなかった…
真剣に私を想っている顔だった…



待ってるってコトは…待たせちゃやっぱり悪いわよね…

そう思うと、年上のオンナは弱い。
しょうがないなぁ…もういいから帰りなさい…って言ってあげよう…
そう思って立ちあがり、店を出た。



和真が美樹を見つけるとさっと寄って来て…

“行こうぜ…”
そう言って腕をつかまれた。
美樹の意見は…結局口に出せないまま…

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