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蜜壺

第2章 枯れる女

駅の裏手はホテル街…
めったに来たことはないが存在はモチロン知っている。
和真は“どこがいい?”などと聞いてくる。

“はぁ…私に聞くの?
って…それより…ねぇ…本気?
だって私、貴方より六つも上なのよ。
いいのよ、はずみで言ったんなら撤回したってかまわないわ…”

和真は一瞬止まり…私を見た。
“美樹さん…それってどういう意味?
俺、マジで言ってんだぜ…歳、関係ないし…。
それって、俺の言ったコト信用していないだろ?”

図星だった…
和真が本気で私を抱くなんて思っていない。
ましてや感じることができるなんて…

ありえない…


“来いよ”
そう言って1件のホテルに入って行った。



…ホテルに入って急にドキドキしてきた…
今までは…それでも自分は歳上…と言うプライドがあったが
ホテルの醸し出す雰囲気はそれを一瞬で打ち崩してしまう。

和真が慣れた手つきで部屋を選び、美樹を誘う。
振り向いた顔はいつもの子供のような笑顔はない。
きつい目をした…オトコの顔だ。


このコって…いったいいくつ?

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