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蜜壺

第2章 枯れる女

言ってからちょっとだけ“しまった”と思った。
飲みに…って都合のいい言葉で使ったけれど私はお酒にそれほど強くない。
でも…ま、いいや…あと1日だもん…



一緒に行ったのはカフェスタイルの居酒屋。
カンペキ個室ではまずいので半個室状態のオンナのコが好きそうなお店で、とりあえずビール…って感じで生中を頼み乾杯をして適当につまみも頼んでやっと一息ついた。



“美樹さん…いろいろお世話になりました。
俺、基本的に事務ダメなんですよぉ…
ホント、めんどくさいヤツ…って思ったでしょ。”

あらら…よくわかってるね…
こういう素直さがよけいにオンナのコに受けるんだろうなぁ…
しかもこの顔、コドモぽくって…母性本能くすぐられるし…


“でも現場ではよく動けるし、気が効くって言ってたから気にしない気にしない!”
そう言って、ぽんと背を叩いた。




和真は自分の大学のコト、バイトやゼミのコトを話し、
美樹のプライベートなことも聞きたがっていた。

暑い日だったからビールがおいしくってついつい1杯目を飲み干して2杯目も半分くらい空いている。
普段こんなに飲むことなんてめったにないのに仕事も一区切りだし…ま、いいか…

和真ともどうせあと1日…と思うと美樹の口も軽くなってくる。

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