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蜜壺

第2章 枯れる女

6歳も歳下の、しかも学生に小馬鹿にされたようで私はムカムカしてきた。

半分以上は酒の勢いである…

“そりゃね、オトコの一人や二人、知ってるわよ!
でもだーれも私を満足させてなんかくれないじゃない!
自分だけがいいならいいんでしょ!
どうせ私はな~んにも感じられない不感症な女よ!”

思わず口にしてしまったら、涙がぽろぽろ出てきた…


“ちょ…ちょっと…美樹さん…声…声大きいよ…
困ったなぁ…”

そう言うと和真は私の横に座り私の頭を軽く抱いてくれた。
そして少しだけ撫ぜてくれて…
そのまま少しだけまた撫ぜて…を繰り返してくれた。



しばらくして…感情が収まってくると私は猛烈に恥ずかしくなった…

私はいったい何を口走ったの?
こんな年下のコに…

今まで誰にも言ったことがなかったことを…
今まで考えないようにしていたことを…
今まで心の奥底に…澱のように沈めていた感情を…

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