テキストサイズ

妖(あや)しの月に~光と闇の王~【第二部 光の王】

第4章 第二部・生

「死ぬな」
 清花が出ていった後、光王が呟いた。
 彼が発した言葉が宙をしばらくさまよっていたが、やがて、散り散りになって消えていった。

 家の外に出た瞬間、眩しい陽の光が清花の眼を射る。まるで初めて母の胎内からこの世(外界)に出た生まれたての嬰児(みどりご)のような気持ちだった。
―私は生まれ変わったのだ。
 清花は新しい人生の第一歩を踏み出す。
 まさにこの時、清花の復讐は幕を開けたのだった―。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ