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妖(あや)しの月に~光と闇の王~【第二部 光の王】

第1章 闇

 当時、都のあちこちに貼られた抗議文の一部分に、陽徳山君を指して〝この世を闇で覆い尽くす暗黒の王〟と喩えたものがある。
 かつて稀代の暴君と世の人から怖れられた燕山君の再来とひそかに囁かれている陽徳山君、その治世となって漸く八年が経過していた。

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